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今後はZEH(ゼロエネルギー住宅)が最低性能となります

ゼロエネルギー住宅とは

ZEHはゼッチと読みます。一般的にはゼロエネルギー住宅と呼ばれていて、ZEHの正式な定義は以下となります。

「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅

経済産業省資源エネルギー庁

なかなか文字が多くて理解しがたい訳ですが、この続きで以下の計算方法が示されています。

 以下の①~④のすべてに適合した住宅
① ZEH強化外皮基準(地域区分1~8地域の平成 28 年省エネルギー基準(ηAC 値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA 値[W/m2K] 1・2地域:0.40 相当以下、3地域:0.50 相当以下、4~7地域:0.60 相当以下)
② 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量削減
③ 再生可能エネルギーを導入(容量不問)
④ 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

経済産業省資源エネルギー庁

こちらも一般の方にとっては、なかなか難解な書き方です。ですので、簡単な図にして見てみましょう。

ZEHの基準のイメージ

左側が基準となるエネルギーの量です。この基準となる量は、元々あまり省エネされていない住宅を想定して決められています。ZEH住宅(右側)にするためには、基準から2割以上の省エネをすることが必要条件とされています。更に、そこからゼロにするために太陽光発電を設置して省エネでは達成しきれない分を自宅で発電することで、プラスマイナスゼロにする

このように決められたのがゼロエネルギー住宅です。(本来は一次エネルギーと言うもので比較します)

またZEHでは、最低限必要な断熱性能も決められています。これは家の中で一番消費エネルギーが大きい、暖房に必要なエネルギーを削減するためです。断熱性能の基準は、気候によって別々に決められていて、日本を大きく7つの気候に分けて決められています。(沖縄は殆ど暖房しないので、基準はありません。)

1(北海道)2(北海道)3456(東京・大阪)7
ZEH0.400.400.500.600.600.600.60
ZEH+(ゼッチプラス)0.300.300.400.400.400.500.50
ZEHに必要な断熱性能UA値の基準

ゼロエネルギー住宅の基準

先ほどは大まかな基準について見てきました。
こちらでは、実際にゼロエネルギーにするためにどのように省エネをしなくてはいけないかについてです。

家庭内におけるエネルギー消費の割合

まずは、現在家庭の中で消費されているエネルギーの割合についてです。

家庭の中では、暖房と給湯、照明におけるエネルギー消費が多いことが分かっています。
また、動力についてもエネルギー消費が多いのですが、特に多いのは冷蔵庫が多いことが分かっています。

ZEHで決められている省エネが必要な項目

ZEHにおいて、省エネが求められている項目は以下となります。

  • 暖房
  • 冷房
  • 給湯
  • 照明
  • 換気

以上の5項目のみです。
つまり、この中には厨房で利用するエネルギー消費や家電製品での消費量は含まれていません

とはいえ、家電や厨房でのエネルギー消費量を除外してZEH計算を行っているわけではなく、この部分に関しては省エネを行わなくてもZEHになることが求められています。

次にそれぞれの項目で求められている省エネ性能について見ていきましょう。

暖房冷房に求められる省エネ性能

暖房はいくつかの暖房機器の選択肢はありますが、省エネを実現するためにはエアコンにする必要があります。
冷房については、エアコンのみの選択となっています。

つまり、暖房冷房ではエアコンを採用することが必要になります。
また、エアコンの省エネ性能を表す指標として、COP(最近カタログに直接掲載されていないのですが、簡単な計算で求められます。)と言うものがあります。
こちらを数値の高いものを選ぶ必要があります。大体COP5以上あると最大限の省エネとなります。

冷房におけるCOPの求め方 = カタログ内の冷房能力 ÷ カタログ内の冷房消費量

給湯(お湯の沸き上げ方法)に求められる省エネ性能

給湯にはお湯を作る手段として、ガスと電気によってお湯を作る方法があります。今後は電気によってお湯を作るエコキュートが最も省エネ性能が高く、有効利用がしやすいものとなっていくでしょう。これは、太陽光発電で発電したエネルギーを有効に使えるからです。

ですので、エコキュートを採用してその中でもカタログ内の年間給湯保温効率(JIS効率)が高いものを選ぶと良いです。4.0に近い数値か、これ以上の数値が理想的です。

給湯(水栓や屋内設備の種類)に求められる省エネ

給湯ではお湯を作る側だけでなく、お湯を使う側にも省エネが求められています。

お風呂は断熱浴槽にすると良いです。また、シャワーやキッチンの水栓、洗面の水栓も節湯タイプを選ぶことが大切となっています。

照明に求められる省エネ

照明に求められる省エネは兎に角すべての照明をLEDとすることです。
LDKでは、主照明とサブ照明の使い分けによって省エネ性能がアップします。

換気に求められる省エネ

換気においては、第3種換気と言うものを採用すると省エネなのですが、快適性を重視した場合は第1種換気を採用することが多く、少し増エネとなります。

以上の5項目を満たすことでZEHの基準をクリアすることが可能となります。

ゼロエネルギー住宅は今後最低限となる

2050年までのカーボンニュートラルを目指す日本にとっては、ZEHを普及させることがとても重要になります。2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」では、

【2030年までの目標】

新築される全ての住宅・建築物にゼロエネルギー水準の性能確保を目指す(P43)

新築戸建て住宅の6割に太陽光発電を設置(P59)

【2050年までの目標】

住宅や建築物全ての建物を含めて、平均でゼロエネルギー化を実現(P30)

設置することが可能な住宅・建築物全てに太陽光発電設置(P59)

経済産業省「第6次エネルギー基本計画

と、いう事になっており、2030年にはこのZEHが最低の基準となる可能性が高いです。
つまり、今からでもZEHを満たす性能の住宅としておくことは、とても大切なのです。

もし、ZEHとしなかった場合、2030年~2050年の間にZEHにリフォームする必要があることも考えられます。

ゼロエネルギー住宅のメリットや補助金

政府目標にZEHの普及が掲げられているため、ZEH住宅を建設するためにの補助金が設けられています。有名なところでは、SIIと言う機関が毎年事業を行っている、補助金です。
こちらの補助金では、毎年補助額に変動がありますが、条件によって多額の補助を受けることが可能です。

このほか、地方公共団体が給付する補助金もあります。
こちらに関しては、県や市などの自治体単位で行われています。もしZEHを建設するあるいは、改修してZEHする場合は、是非一度建設予定地の県や市に問い合わせてみて下さい。

また、フラット35と言う住宅ローンを扱う期間においては、ZEHにすると金利が下がると言った商品も用意されています。

2022年10月借入申込受付分から『ZEH』等の基準に適合する場合、【フラット35】の借入金利から当初5年間年0.5%、6年目から10年目まで年0.25%引き下げます。

フラット35

これらを活用して、是非ZEHにすることをお薦めします。

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